設立のご挨拶

設立に向けての3つの想い

★労働組合は日本の財産。もっと社会のために役立ててほしい! ★大学生の労働観がおかしい。現場で働く人たちが働くことの本当のおもしろさを伝えてほしい! ★働く仲間をそだてるのは労働組合の責務。大学生にもっと語りかけてほしい!

設立のご挨拶

藤村博之(IFHD理事長、法政大学大学院教授)

理事長 藤村 博之

日本企業の経営が短期志向に振れている中、じっくりと人材育成に取り組もうという機運が薄れてきています。
人材育成は、家庭教育に始まり、学校教育を経て、企業に引き継がれます。
それぞれの連携がうまくいって初めて、私たちは社会の維持発展に役立つ人材になることができます。
職業人として働き始める直前の若者たちを預かっている大学は、その意味からも重要な役割を担っていると言えます。

最近の大学生の就職活動は、イメージだけが先行し、実際に働いている人たちの声を聞く機会がないままに進んでいます。
その結果、入社後に、自分が思い描いていた姿と現実の違いにとまどうことになり、入社してほどない時期に辞めてしまう状況が起こっています。
将来有望な若者が、ちょっとしたことで辞めてしまうことは、本人にとってだけでなく、企業にとっても損失です。

NPO人財育成ネットワーク推進機構は、大学と労働現場のつながりを仲介し、学生に対して働くことに関する的確な情報を提供することをめざしています。
労働現場の本当のことをいちばんよく知っているのは労働組合です。
私たちは、学生の職業観を醸成するために労働組合との連携を深めていきたいと思います。

労働組合の組織率は20パーセントを切り、日本社会の中でかつてほどの存在感を持っていません。
しかし、今でも約1000万人の人たちが労働組合に参加しており、様々な活動を展開しています。
私たちは、労働組合を日本社会の財産だととらえ、その資産を学生のために使ってもらうことによって、労働組合自体の活性化につながれば、双方にとって有意義だと考えます。

わが国で初めての試みとなるこの活動にご賛同いただき、私たちと一緒に、真の意味での人財を育てる事業を推進してくださる組織の加盟をお願い申し上げます。

2010年6月4日
理事長 藤村博之