2015年5月16日(土)にIFHD学生支援セミナー(2015年 第3回)を開催しました。
2015年の第3回は、「日本の化学産業はこんな仕事している!」と題し、化学産業に携わる社会人の方をお招きして、お話をいただきました。
今回、参加してくださった労働組合の皆さんは、JEC連合、旭化成労働組合、東ソー労働組合、富士フィルム労働組合(五十音順)の方々です。
最初に、理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法についてガイダンスを行いました。次に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの自己紹介をしていただきました。そして、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。
今回の進行も、IFHDで標準的に行っている形式で行いました。より多くの人の話を聴けるように、途中2回、席替えをしました。一つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がグループで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。また、最後に社会人の方にも振り返っていただき発表していただきました。
問いは以下の通りでした。
Q1. 会社について、社会に出て思ったこと。
Q2. 仕事の上で失敗したらどうなる?
Q3. 労働組合は何をしている?
今回、中心の話題になったのは、仕事を失敗したときの責任についてです。誰しも失敗をしようと思って失敗をする人はいません。その時の意思決定・行動において、最も適切だと考えるものを選択しているはずです。したがって、会社はその仕事の責任の範囲においてみているため、いきなり辞めさせるなどの処分はしません。別の言い方をすれば、上司は責任を果たせる範囲しか部下に仕事を渡しません。少し大きな責任のある仕事を任すときは、その人の成長を願っている場合が大半です。そうやって、成長してもらってより多くの仕事をこなしてもらいたいと考えています。
では、わざと失敗したり、虚偽の報告をしたり、人の責任にしてまった場合どうでしょう。その場合は、公序良俗に反するため、会社側も面倒をみることができません。会社に外的な損失を与えただけでなく、内的崩壊を招いてしまいます。組織である以上、一人の人間を優遇することはできません。この場合は、解雇もあり得るでしょう。
仕事をしていると大なり小なり失敗に遭遇します。失敗をしないように取り組む姿勢は大事です。しかし、失敗が起きたときにどう対処するかというのはもっと大事なことです。現在、仕事において失敗することは20~30年前と違って、かなり重くみられます。小さなことでも他への波及効果が大きくなっているからです。では、失敗経験をどのようなかたちで得るかです。
ここで、登場するのが労働組合です。労働組合の本来機能は、「育成」「共済」です。組合活動における失敗は、大きな社会的損失にはつながりにくいものです。組合活動を通して、多くの経験をすることが自らの能力を高めます。これからの時代の労働組合には、原点に立ち返った活動が求められるのではないでしょうか。現在の日本人の労働組合に対する認識の失敗を正すには、今が最後の機会と言えるかもしれません。
開催場所:東京しごとセンター セミナー室
時間:13:30~17:00
NPO IFHD 事務局