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セミナー後記 2014年5月29日 労働組合セミナー(2014年 第2回)開催報告 

2014年5月29日(水)にIFHD労働組合セミナー(2014年 第2回)を開催しました。

2014年の第2回は、理事長の藤村博之が「2014年春闘を振り返る」について報告しました。

 

今年の春闘は、ベースアップ(ベア)を中心とした話に沸き、賃上げの方向に向かったかのように思われます。連合が発表した2014年春闘の第3回集計結果によると、ベアと定期昇給を合わせた全体の賃上げ額は平均で6495円と前年より1211円増加したとされています。今春闘を振り返って、今後経営側と話し合うべき論点について考え、議論していきました。

 

議論の中で論点になったのは次の通りです。

Q.1 今年の春闘はどうだったか

Q.2 賃上げを望む声は多かった。しかし、皆が全てを理解しているわけではない?

Q.3 組合員の理解は

 

Q.1については、ベアの実施をする労働組合が多くみられました。ただし、現行水準確保で、一時金による要求という労働組合もいくつかありました。ベアの実施を行ったところは、当初言われていたような大幅な上昇があったわけではありません。スタートの時点と比べて、結果として差を感じるものとなったようです。満額回答という労組は限られました。ベアという位置付けよりは、「賃金改善」 「賃金改定」という言葉が合うものだったと言えるようです。

 

Q.2については、報道が先行した感もあり、賃上げ(ベア)を望む声も多かったということでした。しかし、春闘でベアという言葉が踊るのは、久しぶりのことであり組合員の中には戸惑う人もいたようです。これまで、景気の低迷により労働組合側が慮ってきた結果、そういった協議を行ってこなかったからのようです。いざ、賃上げ(ベア)となった今春闘でも、会社側を慮っている様子がうかがえました。

 

Q.3については、理解があったと言えます。多くの組合員は、納得せざるを得ない状況だったのではないでしょうか。賃金が上がることへの期待感と、実施するほどの状況なのかという不安感から、そこまで強い要求とはならなかったと見えます。しかし、中には執行部に対して強い意志を示した労働組合もありました。執行部がベアの要求をしないという姿勢に対してのもので、荒げた言葉が飛び交う場面もあったようです。

 

今回の春闘は官製的な一面もあり、賃上げが一様に実施されたように見てとれます。しかし、本当の意味での交渉は、来年度以降の春闘にゆだねられたと言えるようです。今春闘の結果からより上の水準を獲得できるように労働組合側は、今後活動をしていく必要があります。必要なものは必要だという姿勢を貫くことが大事だと言えそうです。

 

開催場所:法政大学新一口坂校舎 教室

時間:18:30~20:30

 

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NPO IFHD 事務局

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