2015年7月11日(土)にIFHD学生支援セミナー(2015年 第5回)を開催しました。
2015年の第5回は、「日本の流通産業はこんな仕事している!」と題し、流通産業に携わる社会人の方をお招きして、お話をいただきました。
今回、参加してくださった労働組合の皆さんは、UAゼンセン流通部門(三越伊勢丹グループ労働組合、マルエツ労働組合、全東急ストア労働組合)、イオンリテール労働組合、イトーヨーカドー労働組合(五十音順)の方々です。
最初に、理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法についてガイダンスを行いました。次に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの自己紹介をしていただきました。そして、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。
今回の進行も、IFHDで標準的に行っている形式で行いました。より多くの人の話を聴けるように、途中2回、席替えをしました。一つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がグループで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。
問いは以下の通りでした。
Q1. 流通業のイメージ
Q2. 仕事のおもしろいところ。ここだけの話。
Q3. 希望した業界か、そうでなかったか。今の業界で働き始めてどう思っているか。
流通業は、商品を消費者まで届けるまでの各産業で、卸売業、運送業、倉庫業、小売業などがあります。中でも一般に接することが多いのは、小売業です。今回参加して下さった労働組合の皆さんは、この小売業に属する企業の方々です。小売業ですと店舗の管理や商品の発注といった業務の中から、日々お客様に商品を提供し続けるという役目を担っているわけです。これが1日でも提供できないと、お客様に迷惑をかけてしまいます。年末年始の営業があるのをみてもわかるように、高品質と適正な価格を維持しながら商品を提供し続けなければなりません。
したがって小売業は、長時間労働になりがちです。お客様に商品を提供し続けることを使命としていますので、その実現のために時間の使い方が変わってきます。始業時間よりだいぶ早めに出勤したり、次の日の準備のために遅くまで残ったりします。とりわけ、近年では営業時間が長くなっているのもそれを助長する要因です。
日本のサービス水準が高いというと聞こえはいいですが、無駄が多いのが実態かもしれません。コンビニエンスストアの中には24時間営業のところもたくさんありますが、本当に24時間開けておかなければならないのかという議論があります。海外はどうでしょうか。例えばドイツなどでは、19時閉店であれば、18時45分くらいからお店の片付けを始め、お客様が入ることができないようになります。全体の最適を考えて、消費者である我々が許容できれば、社会における流通業のイメージは大きく変化するでしょう。
今回、そんな厳しい環境で働く方々の率直なお話は、学生の心に届いたと思います。社会人の方が話される内容に、終始頷いている様子は、それを物語っていました。一般には知り得ない情報ですが、こういったことが聴けるのが、IFHD学生支援セミナーならではの特長であります。
ぜひ、興味をお持ちいただいて、ご参加いただければ幸いです。
開催場所:東京しごとセンター セミナー室
時間:13:30~17:00
NPO IFHD 事務局