2018年12月8日(土)に平成30年度第7回IFHD学生支援セミナーを開催しました。
今回は、「日本の食品産業はこんな仕事をしている」と題し、味の素労働組合、日本ハムユニオン、日本ハムファクトリーユニオン、フード連合(キリンビール労働組合、キリンビバレッジ労働組合)の皆さまをお招きして、お話をいただきました。
最初に、IFHD理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法について説明しました。就職活動は学生の大きな関心事であるにも関わらず、業界や企業の情報が足りていないと感じており、学生にはもっと多くの情報を知って欲しい、という話がありました。学生に提供される業界や企業に関する情報は仕事の面白さやかっこいい側面を紹介したものが多く、もっとその仕事の大変さやつらい側面も知って欲しいと思っています。面白さやかっこいい側面だけを見て就職すると、なかには希望と違う部署に配属されたときや、下積みの仕事に耐えられず、簡単に会社を辞めてしまう人がいます。そもそも、もし本当に面白い仕事なら、人々はお金を払ってでもその仕事を続けるはずです。しかし、実際には、仕事をすると給料がもらえます。ということは、そこには面白さだけではない、「何か」があるはずです。このセミナーを通じて、学生たちには仕事に関する様々な側面を知って欲しい、という想いを伝えました。
その後に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの紹介をしていただいた後、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。より活発な議論を行うため、学生を4~5名の小グループに分け、そこに企業の方に1名ずつ入っていただき、ディスカッションに参加していただきました。また、より多くの人の話を聞けるように、テーマを3つ設定し、テーマごとに席替えをしながら進行しました。
設定したテーマは以下の3つです。
テーマ1.我が社は、こんなこともしています
テーマ2.会社に入る前に思ったこと、入ってから分かったこと
テーマ3.仕事の大変さとおもしろさ
30分~40分程度のグループ討議では休憩をはさみながら計3回行い、様々な企業労組の方々から普段は聞くことのできない貴重な話を伺うことができました。1つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がディスカッションで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。
【学生の発表】
テーマ1について
・飲料メーカーのイメージだったが、健康や医薬品、食品バイオも扱っているほか、CSV活動も行っていることを知った。
・食肉以外にも、菌の研究やサバ缶の販売などいろいろと取り扱っていることを知った。
・2人で献立を考え、買い物に行き、料理をする、という「ペアクック」を提案することで、単に商品を売るのではなく、価値を売っているのだと思った。
テーマ2
・営業担当者が店に行って販売交渉するのではなく、グループ企業や販売会社と協力して行うことが特殊だと思った。
・営業職はイメージよりも泥臭いと思った。専門知識よりも、雑談力や人間力が大事だと思った。
・余暇や自由時間など、自分の時間の過ごし方を充実させようと思った。
・営業職は、人として信用されることが大事。自分も信頼される人間になりたいと思った。
・入社後1~3年は辞めたかった。しかし、4年目過ぎたあたりから成長の実感を得られるようになると、逆に仕事を続けたいと思うようになった。「石の上にも3年」を実感した。
テーマ3
・学生のうちは、変な人には関わらなければよいが、社会人はそういう人とも関わらなければならない。好きなコミュニティだけではなく、いろいろな人と関わっていきたい。
・思い描いたところで働けるとは限らない。その場所で自分ができることを考えていきたい。
・商品よりも自分を売り込むことの面白さを知ることができた。
・挑戦した分失敗もする、という言葉が印象に残った。
・上司ではなく、消費者に褒められることが嬉しくて仕事をしている。そこにやりがいを感じる。
セミナーの最後に、各企業からお越しいただいた方々から、以下のような感想をいただきました。
・入社当時に思っていたことを伝えることができた。
・学生たちから質問を受けるなかで、自分を振り返る機会ができた。
・学生時代にできるアルバイトやサークル活動などでも人間の幅を広げることができる。
・これから会社に入ってくる皆さんを守るのが労働組合。今日の質問や意見を今後の組合活動に活かしたい。
・いろいろな人と関わる一方で、社会に出ると交友範囲は狭くなるので、大学時代の人との繋がりを大切にして欲しい。
・専門性の高い勉強で自分を高めて欲しい。
・会社に入ったら終わりではなく、その後も勉強が続いていく。
セミナー写真
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