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セミナー後記 2018年11月17日 学生支援セミナー(2018年 第6回)開催報告

開催場所:東京しごとセンターセミナー室

 

20181117日(土)に平成30年度第6IFHD学生支援セミナーを開催しました。

今回は、「日本の交通・観光産業はこんな仕事をしている」と題し、ANA労働組合、ANAグループ労働組合連合会、JTB労働組合、の皆さまをお招きして、お話をいただきました。

 

 

 最初に、IFHD理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法について説明しました。趣旨に関して、IFHDを立ち上げた経緯についての話がありました。きっかけは、かつて藤村が法政大学のキャリアセンター長であった時代にさかのぼります。当時は学生たちが就職活動において知ることができる情報は、仕事のかっこいい側面ばかりでした。仕事の本当の面白さは、その仕事を続けるうちに感じるものであり、最初から面白い仕事はありません。それが学生たちに伝わっていないと感じていました。一般に、「ある分野で何か成果を得るには最低でも1万時間は必要である。」と言われます。「石の上にも三年」ということわざがありますが、あることに真剣に取り組むと3年で約1万時間になります。1万時間投入して初めて、自分に合っているかいないかわかるのに、ちょっとしたことで辞めてしまう若者が多いことは問題です。この状況を何とかしなければならないと思っていました。実際に企業で働いている人たちが、学生に直接、仕事のおもしろさやたいへんさを語りかけることが有効だと考え、労働組合の方々に声をかけてIFHDの設立に至りました。なぜ労働組合かというと、労働組合は、現場の第一線で苦労している人たちのことをいちいばんよく知っているからです。

このような趣旨を踏まえて、学生たちには「差し障りのある(・・)質問をしてもらいたい」、企業の方には「仕事を続けてよかったと思える瞬間を聞かせてほしい」というリクエストが藤村からありました。

 

次に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの介をしていただいた後、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。より活発な議論を行うため、学生を56名の小グループに分け、そこに企業の方に1名ずつ入っていただき、ディスカッションに参加していただきました。また、より多くの人の話を聞けるように、テーマを3つ設定し、テーマごとに席替えをしながら進行しました。

 

設定したテーマは以下の3つです。

テーマ1.我が社は、こんなこともしています

テーマ2.会社に入る前に思ったこと、入ってから分かったこと

テーマ3.仕事の大変さとおもしろさ

 

30分~40分程度のグループ討議では休憩をはさみながら計3回行い、様々な企業労組の方々から普段は聞くことのできない貴重な話を伺うことができました。1つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がディスカッションで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機械を持ちました。

 

【学生の発表】

テーマ1について

・企業と社員旅行の打ち合わせをしていた際、若い社員から「休みの日なのに、なぜ会社の人と過ごさなければならないのか」という疑問の声があがった。それに対して、担当の方が、社員の帰属意識を高めるために、行っていることを説明された。その他。運動会や表彰式を取り入れるなど、顧客ニーズに合わせた提案を行っているという話に感銘を受けた。

・入社の際はツアー企画をイメージしていたが、実際は仕事の9割が校閲作業を行っていると聞き、自分たちが旅行会社に抱く仕事のイメージと異なり意外だった。

・今は、パンフレットなど紙媒体からの予約が減って、WEB予約専門の部署があるなど、時代を感じた。

・旅行会社には、旅行好きにはうれしい福利厚生があり、自分も福利厚生が充実している会社に行きたいと思った。

 

テーマ2

・パンフレットの手配など、外からは見えない仕事が多いが、お客様と関われることは楽しい。

・お客様が3歳の頃の家族旅行から、卒業旅行、ハネムーンと、その方の人生の節目の旅行を手配することもあり、非常にやりがいを感じる仕事である。

・企画志望で入社したが、実際は手配業務であった。その後、企画業務に携わる機会を得たとき、手配業務の経験を活かすことができた。

CA業務は体力面や人間関係で大変なこともあるが、海外へ行った際、帰りのフライトまでは観光やショッピングなどの楽しみもある。

 

テーマ3

・お客様からお金を頂いている以上、料金以上の価値を出すことがたいへんと感じた。

・労組として、組合員の意見を会社に言えるのが面白いという話を聞き、会社に対していろいろ意見できる労組の仕事は面白いと感じた。

・お客様のクレーム対応がたいへん、中には天候のことでお叱りを受けたときは困った。

・人材教育を通じて後輩の成長を見ることが楽しい。

・職場によって、男社会であったり女社会であったり、立ち振る舞いを変えていくのがたいへん。

 

 セミナーの最後に、各企業からお越しいただいた方々から、以下のような感想をいただきました。

・会社で研修を行うと自身の新入社員時代を思い出すが、今日は学生時代に戻って考えることができた。

・新入社員よりも若い人たちと話すのは久しぶりで、初心に帰ることができた。

・休日にこのような場で勉強をするなんて、意識が高いと感じた。

・話をするというアウトプットを通じて、自分自身の考えをあらためて気付かされた。

・今の学生が何を考えているのか興味があったが、自分たちの時代と変わらないと思った。

・大事なのは、5年後10年後を考えて、そこから逆算して今を考えること。

・自分自身、最近丸くなってきたと感じていた。学生を見て、もっとしゃかりきに、今やらなくてはいけないことを一生懸命やろうと思った。

・仕事をするとは、人間とはどういう生き物か考えることが大事。

・人間性を高めることが仕事の質を高めること、感度を高く、今後もいろいろなことを吸収してもらいたい。

 

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