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セミナー後記 2018年10月13日 学生支援セミナー(2018年 第5回)開催報告

開催場所:東京しごとセンターセミナー室

 

 20181013日(土)に平成30年度第5IFHD学生支援セミナーを開催しました。

 今回は、「日本の流通産業はこんな仕事をしている」と題し、高島屋労働組合、東急百貨店労働組合、イトーヨーカドー労働組合、イオンリテールワーカーズユニオンの皆さまをお招きして、お話をいただきました。

 

 最初に、IFHD理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法について説明しました。次に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの自己紹介をしていただきました。自己紹介の際、産業別労働組合(UAゼンセン)に出向している参加メンバーから、以前、産業別労働組合で実施した、お客様から受けたクレームに関するアンケートについての調査結果に関するお話をしていただきました。

 以前UAゼンセンでは、流通業者200組合に対して、お客様から受けたクレームに関するアンケート調査を実施しました。「お客様にこんなことを言われた」「お客様からこんな要望があった」など、自由に書いてもらう形式のもので、当初は200組合に配布した計1万枚のうち回収は半分程度と想定していました。ところが、最終的に配布したアンケート用紙をはるかに上回る、7万枚もの回答が集まりました。うち7割が、お客様から理不尽な扱いを受けたという内容でした。多くの組合員が、現場の状況を知って欲しいと、アンケート用紙をコピーして産業別労働組合へ現場の声を届けた結果でした。

 このような、他では聞くことにできないような、実際の職場環境に関する話を聞くことができる点も、本セミナーの魅力のひとつです。

 

 その後、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。より活発な議論を行うため、学生を56名の小グループに分け、そこに企業の方に1名ずつ入っていただき、ディスカッションに参加していただきました。また、より多くの人の話を聞けるように、テーマを3つ設定し、テーマごとに席替えをしながら進行しました。

 

 設定したテーマは以下の3つです。

テーマ1.我が社は、こんなこともしています

テーマ2.会社に入る前に思ったこと、入ってから分かったこと

テーマ3.仕事の大変さとおもしろさ

 

 30分~40分程度のグループ討議では休憩をはさみながら計3回行い、様々な企業労組の方々から普段は聞くことのできない貴重な話を伺うことができました。1つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がディスカッションで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機械を持ちました。

 

【学生の発表】

テーマ1について

・髪や身だしなみなど細かく指導してくれる教育係が各店舗にいることに驚いた。

・期限切れ食品を堆肥として活用し、その堆肥で育てた野菜を店頭で販売する、といった企業活動は素晴らしいと思った。

・労働組合の活動について、組合員の本当の悩みは飲み会で出てくることが多い、という話が興味深かった。

 

テーマ2

・肉や魚など、必ずしも育てた場所が産地ではない、という話に驚いた。

・流通業は消費者を喜ばせることが仕事だとわかった。

・理不尽なクレームへの対応や、セクハラ、ストーカーなど、なかなか知り得ないような悩みがあることを知ることができた。

・バイヤー志望であったが違う配属になり、今ではやりがいを感じているという話から、希望通りの配属でなくても、柔軟に対応できる能力を身に付けたいと思った。

・自分のようなアルバイトはお客さん対応のみだが、社員になるとお客さんはもちろん、従業員やパート、アルバイトに至るまで全ての人への対応が求められるので大変だと思った。

・仕事とプライベートのバランスを考えるきっかけになった。

 

テーマ3

・「入社半年で上司が辞めてしまい、代わりの上司が来なかったため、自分が上司の分も仕事をすることになり、激務で辞めたいと思ったが、同期やパートさんの支えで続けられた。おかげで、本来は4~5年かかるところ、1年半でマネージャーになることができた」という話から、信頼できる仲間をもつことと、トラブルに対応できる準備をしたいと思った。。

・自分の思っていた部署とは違ったが、この仕事を極めて、マネージャーや店長になってやろう!と思い、頑張って働いた、という話を聞き、自分も目標を持って仕事をしたいと思った。

・「転勤を機に辞めたいと思ったが、自分の目先のことではなく、会社全体を見ようと思った」という話を聞き、自分も客観的な視点を身に付けたいと思った。

 

セミナーの最後に、各企業からお越しいただいた方々から、以下のような感想をいただきました。

・「今の若者はこうだろう」という事前の考えとはずいぶん違った。就職やこれからの仕事を真剣に考えていることに感銘を受けた。

・ノートをとったり、きちんと話を聞いたり、思っていた若者像と違った。

・聞きにくいことも遠慮なく聞いてくれて構わなかったが、少し遠慮が見られた。

・組合員とこのような場を設けても、組合員はなかなか発表してくれないので、学生たちの積極性に驚いた。

・就職は、人生の中の大きな決断だから、これからもいろいろな話を聞いてもらいたい。

・お客様からのクレームに対する質問が多かった。

・自分の考えを客観的に見るきっかけになった。

・自分の会社が好きなんだ、とあらためて思った。

・学生たちの会社選びの幅が広がればいいと思った。

 

セミナー写真

以上

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