2013年5月24日(金)にIFHD労働組合セミナー(2013年 第4回)を開催しました。
2013年の第4回は、株式会社デサント執行役員高畑泰宏氏(デサント労働組合前委員長)に、
「経営側から見た労働組合の役割と可能性」についてご報告いただきました。
高畑氏は、長く労組役員を務められ、経営側に復帰されました。会社側から労働組合を見ると、労組役員をしていた頃には気づかなかった労組の課題が見えてくるとお話しされました。高畑氏のお話しを起点に労働組合の可能性について議論しました。
議論の中で論点になったのは次の通りです。
Q.1 経営側は手続きを理解しているか?
Q.2 経営側の情報伝達ルートが機能しないのはなぜか?
Q.3 労働組合は軽視される傾向にあるのではないか?なぜそうなったか?
Q.4 原則を認めさせるには?
Q.1に対して各労組から、経営側の理解が足りないという発言がありました。経営側が手続きを無視し、勝手に進めていることがあり、進めた後に手続きの不備に気付くという状況が散見されるようです。出席者から、原則が守られないことへの疑問と対応に苦慮している状況が報告されました。
Q.2に対して各労組から、部課長クラスには十分な情報伝達が行われていないようだとの意見が出されました。労使協議の場で話し合われた結果は伝達されるけれど、途中経過がわからないので、結局何が大切なのかが見えなくなってしまっているという意見も出されました。労働組合が発行するニュースを管理職たちが心待ちにしているという点も共通の認識でした。
Q.3に対して各労組から、経営側は労働組合を「面倒なもの」と考えているようだという意見が出されました。本来は経営側から独立した機関として尊重されるべきであるのに、経営管理の一機関としてとらえているのではないかという意見も出て来ました。労働組合とのつきあい方がわかっていない管理職が多い点も問題だと思いました。
Q.4に対して各労組から、経営側が原則を守らないのなら、交渉の場から退席するといったパフォーマンスも必要ではないかという意見が出ました。ストライキを打つことは非現実的だが、36協定にサインしないといった対処方法もあるという意見も出されました。
労働組合の役割を考えたとき、筋を通すことができるチェック機関として存在することが重要となります。経営側も原則を理解し物事を進めていく必要があります。その上で、労使間の手続きを確実に行い、双方が尊重し合う関係でなければなりません。適度な距離感と緊張感を維持する役割ができれば、労働組合の可能性は拡がるものと感じました。
開催場所:法政大学新一口坂校舎 教室
時間:18:30~20:30
NPO IFHD 事務局