2016年4月16日(土)にIFHD学生支援セミナー(2016年 第3回)を開催しました。
2016年の第3回は、「日本の繊維・素材産業はこんな仕事をしている!」と題し、旭化成労働組合の方をお招きして、お話をいただきました。
最初に、理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法について説明しました。次に、旭化成労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの自己紹介をしていただきました。そして、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。今回の進行も、通常の形式で行いました。より多くの人の話を聴けるように、途中2回、席替えをしました。一つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がグループで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。
問いは以下の通りでした。
Q1. 旭化成の知られていない一面
Q2. 実は、第1志望の会社でなかった!
Q3. 仕事で失敗をしたらどうなる?!
旭化成労働組合は、化学、繊維、住宅、建材、エレクトロニクス、医薬品、医療等の事業を行う旭化成グループの労働組合です。皆さんがよくご存じなのは、「サランラップ」や「へーベルハウス」などの商品でしょう。旭化成グループは現在、「マテリアル領域」、「住宅領域」、「ヘルスケア領域」の3領域で事業展開しています。
マテリアル領域は、「繊維事業」、「ケミカル事業」、「エレクトロニクス事業」で構成されます。サランラップはこの領域のケミカル事業に入ります。繊維事業ですとキュプラ繊維「ベンベルグ」が有名です。エレクトロニクス事業ではスマートフォンに入っている電子コンパスが世界でNo.1シェアを誇ります。住宅領域は、「住宅事業」と「建材事業」で構成されます。へーベルハウスはこの領域の住宅事業になります。ヘルスケア領域は、「医薬事業」、「医療事業」、「クリティカルケア事業」で構成されます。医薬品はもとより、AED機器の販売などクリティカルケア事業は最近の大きな収益の柱になりつつあるようです。このように幅広く事業を展開していますが、どれもグループの理念である「いのち」と「くらし」に由来するものであります。時代とともに顧客のニーズにこたえることで企業が存続してきただけでなく社会への貢献が大きな会社だといえるでしょう。
上記のとおり旭化成グループは、繊維・素材産業として誰もが知らないことはない企業です。参加した学生も企業名を知らないという人はいませんでした。
第1番目の問では、意外に知られていない企業の一面を聴きだすようにしました。繊維・素材産業においても、多くの人が知っている商品だけでなく、B to Bの取引における収益が割合として高いことを理解してもらえたと思います。洋服を作るための素材や化学製品をもとにした商品への利用など、消費者が普段目にすることのない中間製品が取引されているのです。
第3番目の問では、社会人にとってはあまり言いたくない失敗について話していただき、議論を進めていきました。学生にとって社会人としての失敗がどのようなものか理解するのに役立ったと思います。企業は一人で仕事をしているわけではないので、全ての責任がその当事者に及ぶかというとそうではありません。誰しも失敗をしようと思って仕事をしているわけでもありませんし、失敗したからと言ってすぐに責任をとってクビになるというわけではないのです。
そのあたりを踏まえて、仕事に取り組んでいくと、力の入れ具合というのが分かってきます。失敗自体も自らの糧になるよう対応・吸収していくことも必要になるでしょう。今回のように仕事の上で失敗するということが、必ずしもマイナスにならないということを理解しておけば、不要な緊張をなくし、勇気ある意思決定が可能になることを認識できるかと思います。
次回以降も様々な産業の方々にお越しいただきます。ふるってご参加くださいますようお願い致します。
開催場所:東京しごとセンター セミナー室
時間:13:30~17:00
NPO IFHD 事務局