2015年2月21日(土)にIFHD学生支援セミナー(2015年 第1回)を開催しました。
2015年の第1回は、「日本の食品産業はこんな仕事している!」と題し、エネルギー産業に携わる社会人の方をお招きして、お話をいただきました。
今回、参加してくださった労働組合の皆さんは、味の素労働組合、キリンビール労働組合、日本ハム労働組合の方々です。
最初に、理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法についてガイダンスを行いました。次に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの自己紹介をしていただきました。そして、理事長の藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。
今回の進行も、IFHDで標準的に行っている形式で行いました。各グループ5~6名に分かれてディスカッションをする形式です。今回は6チームに分けて議論していただきました。より多くの人の話を聴けるように、数回は席を替わってもらっています。途中、各テーブルの学生代表がグループで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。さらに、最後に社会人の方からこの日に感じたことをまとめとしてお話しいただきました。
問いは以下の通りでした。
Q1. 自己紹介。就職活動の思い出について
Q2. 日本の企業はなぜ好きな仕事をさせてくれない?
Q3. 学生へのアドバイス
今回お集まりいただいたのは、食品産業の方々です。消費者が知る商品の販売よりは、B to Bの利益の割合が高い産業です。実際には、食品の原料販売がビジネスの中核です。Q.1で社会人から話題に挙ったのが、外から見ていたときにはわからなかった会社の姿です。就職活動中は、多くの人が知っている商品の販売(B to C)が主たる仕事だと思っていたけれども、実際には企業間の取引がたくさんあることを知ったというものでした。
次にQ.2で議論に上がったのは、初めから志望していた仕事に配属になりにくいということです。今回参加いただいた社会人の方からもこういった事情であったという多くの声が上がりました。営業を志望したのに財務に配属になったり、商品開発を志望していたのに営業になったりと事情は様々です。これは、日本の企業がメンバーシップ型による採用方式を採っているからです。まずは、会社のメンバーになってもらうことが前提です。採用されてから複数の仕事を経験することによって、従業員に最も適した仕事をみつけようとするのが日本企業の方式です。他方、すでに存在する業務ができる人を採用するのがジョブ型といわれるものです。このことを理解しているか否かで、採用後の配属の受け止め方が変わります。働いたこともないのに自分の適性がわかるはずがない、と藤村は話していました。
Q.3ではQ.2に関連して、初めから志望した通りにならないというアドバイスが多く挙りました。最初に配属になった部署での仕事を通して、できることを増やしていく中で気づいたことはたくさんあるということでした。
入社面接では、志望する部署やしたい仕事について質問されます。ただ、これは入社してからの希望を聞かれているわけではありません。あくまで、会社についてどれだけ理解しているかを確認するための質問です。この点を理解し、自分の気持ちとの折り合いをつけていると入社後にさまようことはないでしょう。
こういったことはなかなか知られておらず、IFHD学生支援セミナーに参加したからこそ知り得る話です。今後も学生のみなさんには継続的に参加してもらって、多くの業界の実情を知ってほしいと思います。
開催場所:東京しごとセンター セミナー室
時間:13:30~17:00
NPO IFHD 事務局