2015年11月14日(土)にIFHD学生支援セミナー(2015年 第8回)を開催しました。
2015年の第8回は、「日本の電機産業はこんな仕事している!」と題し、電機産業に携わる社会人の方をお招きして、お話をいただきました。
今回、参加してくださった労働組合の皆さんは、パイオニア労働組合、日立製作所労働組合、富士通労働組合、三菱電機労働組合(五十音順)の方々です。
最初に、理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法についてガイダンスを行いました。次に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの自己紹介をしていただきました。そして、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。今回の進行も、通常の形式で行いました。より多くの人の話を聴けるように、途中2回、席替えをしました。一つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がグループで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。
問いは以下の通りでした。
Q1. 電機産業、実はこんな分野で仕事をしています。
Q2. 本当はこの会社に行きたかった。なぜ、今の会社に就職したか。
Q3. 仕事の上で失敗したとき、それを周囲がどう助けてくれたか。
電機とは、電気機械、または電気機械器具の略です。機械器具のうちの器具は、電球、電池、集積回路などを含みます。電機産業は、日本標準産業分類では電気機械器具製造業をいいます。また、電気機械器具を電気機器、電器などと略すこともあります。一方、電子産業は、電子機械産業、あるいは電子機械器具(電子機器)産業ともいいます。カタカナで言えば、エレクトロニクス産業であるテレビ、ラジオ、コンピューターなどのように電子の運動を利用する機器を製造する産業です。情報機器が多いのも特徴です。これに対して洗濯機、冷蔵庫などは電気を機械的エネルギに変換して利用し、照明器具は電気を熱に変換して利用します。したがって「狭義の電機」といえます。電子産業は、電機産業の一部として誕生しましたが、その比重が高まったことによって特別な名称が付けられました。
別の言い方では、「重電」と「軽電」という区別もあります。重電とは、「重電機」の略で、電気機械のうち特に大型のものを指します。家電製品などの「軽電」(軽電気)に対して、発電施設や工業施設、商業施設などで用いられる設備などです。軽電とは、「軽電気」の略で家庭用電気製品などの電気機器を指します。このように電機産業は扱っているものによってだいぶ印象が変わってきます。
電機産業の特色は、電気で動くものを扱っていることです。電気に関する現象は古くから研究されてきましたが、科学としての進歩が見られるのは17世紀および18世紀になってからです。しかも、電気を実用化できたのはさらに後のことで、産業や日常生活で使われるようになったのは19世紀後半でした。人類としてはつい最近使うようになった道具なわけです。ただ、近年の技術革新により、より高度なことが実現可能になってきただけでなく、それらをより多くの人が使えるようになりました。このように日進月歩で進む産業ですから、開発・製造・販売とそれぞれに関わる人に求められる能力は必然的に高くなります。社会人の方が話されていた中で印象的だったのは、次々に新しくなるものについていくことの大変さでした。つまり、電機産業の特色を付け加えるならば、「速さへの対応」です。反対に言えば、その環境で働くことが、電機産業で働くおもしろみだともいえそうです。
今回は、就職先の決まった4年生も多く参加してくれました。そのうちの1人が発表をしましたが、さすがこれまで様々な経験をしてきただけあって、会場のみんなが頷くほどの発表となりました。2、3年生にとって先輩が魅せる姿は自信につながるものになるのではないでしょうか。今回は、これまでの中で最も良い回になったと思います。
開催場所:東京しごとセンター セミナー室
時間:13:30~17:00
NPO IFHD 事務局