2019年4月20日(土)に平成31年度第1回IFHD学生支援セミナーを開催しました。
今回は、「日本の電機産業はこんな仕事をしている」と題し、富士通労働組合、パイオニア労働組合、日立製作所労働組合の皆さまをお招きして、お話をしていただきました。
最初に、IFHD理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法について説明しました。
今は多くの企業が研修の時期で、これから配属先が決まります。しかし希望の配属先でなかった場合、この会社では自分がやりたかったことができないのではないか、と簡単に辞めてしまう若者が後を絶ちません。20代は自分の適職を探す「ジョブサーチ」の時期であり、この行動自体は普通です。問題は会社がどういうものか分かる前に辞めてしまうことで、次の会社に転職しても同じことが繰り返されてしまいます。この状況を何とかしたいと思い、学生たちに働く現場の実態をもっと知ってもらうため、このIFHDを立ち上げました。労働組合の方々には、現場の生々しい「差し障りのある話」をしていただき、学生たちに少しでも実態を知って欲しいと思います。このようなセミナーの趣旨についての説明がありました。
その後に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの紹介をしていただいた後、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。より活発な議論を行うため、学生を4~5名の小グループに分け、そこに企業の方に1名ずつ入っていただき、ディスカッションに参加していただきました。また、より多くの人の話を聞けるように、テーマを3つ設定し、テーマごとに席替えをしながら進行しました。
設定したテーマは以下の3つです。
テーマ1.我が社は、こんなこともしています
テーマ2.会社に入る前に思ったこと、入ってから分かったこと
テーマ3.仕事の大変さとおもしろさ
30分~40分程度のグループ討議では休憩をはさみながら計3回行い、様々な企業労組の方々から普段は聞くことのできない貴重な話を伺うことができました。1つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がディスカッションで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。
【学生の発表】
テーマ1について
・今は使われなくなったクリーンルーム(半導体を作る施設)で野菜を作っている。日持ちがよく、低カリウムの無菌レタスとして病院などに提供している。
・電子聴診器やドライブレコーダーなど、自分たちの知らない分野にも取り組んでいることを知った。
・原子力営業の話を聞いて、就職活動は調べるだけではなく、実際に話を聞くことの大切さを知った。
テーマ2
・入社前は自身の会社の中心事業を知らなかった、という話から自分も知識不足や思い込みに気をつけようと思った。
・社会人にかると遊べなくなると思っていた。実際そうなのだが、遊びの定義や遊び方が変わると知った。
・電機産業は文系ばかりでないことを知った。
・何が自分に足りないか知るのは社会に出てから、という言葉が印象に残った。
・人間力、雑談力が求められる。コミュニケーションの大事さを学んだ。
テーマ3
・お客さんからのクレーム処理が大変。とくに金融システムなどは社会的影響が大きいので大変。
・自分が作ったシステムが社会で使われているとき、面白さを感じる。
・インドネシアと台湾の仕事の掛け持ちで苦労した。2つを同時にこなすのは大変。どちらも受注できたので良かった。
・いろいろな業界、産業、人間と関わることが大変だが面白い。
・仕事を楽しいと感じた瞬間はないが、後になって振り返ると楽しかったのだと気づくことがある。
セミナーの最後に、各企業からお越しいただいた方々から、以下のような感想をいただきました。
・私は本日、皆さんと交流するという目的をもってきた。皆さんも目的をもって行動して欲しい。そうすると結果が違ってくると思う。
・就職活動を楽しんで下さい。
・自分の新入社員のころや入社してからの仕事の振り返りができた。
・自分自身、学生から社会人になってもそれほど変わっていないことに気付かされた。
・社会人の価値は、スキル×人間力の掛け算。だから人間力を養うために学生のうちは遊んで色々な経験をして下さい。
セミナー写真
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