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セミナー後記 2016年6月18日 学生支援セミナー(2016年 第5回)開催報告 

2016年6月18日(土)にIFHD学生支援セミナー(2016年 第5回)を開催しました。
2016年の第5回は、「日本の自動車産業はこんな仕事をしている!」と題し、トヨタ自動車労働組合、日産自動車労働組合の方々をお招きして、お話をいただきました。
 
最初に、理事長の藤村がセミナーの趣旨と進行方法について説明しました。次に、各労働組合から、会社と労組の紹介、参加メンバーの自己紹介をしていただきました。そして、藤村が議論のテーマを設定して、ディスカッションが始まりました。今回の進行も、通常の形式で行いました。より多くの人の話を聴けるように、途中2回、席替えをしました。一つのテーマが終わるごとに、各テーブルの学生代表がグループで出た内容を発表し、グループ討議の内容を全体で共有する機会を持ちました。
 
問いは以下の通りでした。
Q1. 自動車に対してどんなイメージを持っていますか?
Q2. なぜ今の会社に決めましたか?
Q3. 自動車の未来はこれからどうなると思いますか?
 
 
トヨタ自動車労働組合は、世界最大手の日本の自動車メーカートヨタ自動車の従業員を組織している労働組合です。単一メーカーとしては日本最大で、世界各地に拠点を有していると同時に、トヨタグループの中核企業です。2015年3月期連結売上高27.2兆円は国内首位です。源流は豊田自動織機に遡ります。初期の日中戦争および太平洋戦争中は主に帝国陸軍向けのトラックと、少数ではありますが乗用車および派生型を生産していました。
中興には、クラウン(1955年)、コロナ(1957年)、ダイナ(1959年)、パブリカ(1961年)などロングセラーカーを開発し、販売網の整備を推し進めました。1982年にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併し、現在のトヨタ自動車株式会社となりました。国内市場では1982年のビスタ、マスターエース、1984年のハイラックスサーフ、MR2、1985年のカリーナED、1986年のスープラ、1989年のセルシオ、1990年のエスティマ、1991年のウィンダムなど次世代のトヨタを担う車種を発売し、国内販売高トップの座を不動のものにしました。
その後、業績が下り坂になる時期もありましたが、積極的な海外販路拡大路線を開始します。1997年に世界初の量産ハイブリッドカープリウスの販売を開始し、1999年ヴィッツ発売、2003年には2代目プリウスの販売を開始し、この成功は「ハイブリッドカーを擁する環境先進企業・トヨタ」のイメージを確立させる事に成功するものとなりました。
 
日産自動車労働組合は、日本の大手自動車メーカー「日産(NISSAN)」の従業員を組織する労働組合です。日本国外の一部では、高級車ブランドである「インフィニティ(INFINITI)」も展開しており、現在はフランスの自動車製造大手ルノーとアライアンス関係にあります。第二次世界大戦前は日産コンツェルンの一員でした。「日産」という名称は、当時グループの持株会社であった日本産業が由来となっています。
創業期より先進技術の吸収に積極的で、日産自動車は日本フォードや日本ゼネラル・モータースなみの大型乗用車を製造するため、1936年にアメリカのグラハム・ペイジから設計図や設備などを購入し、また戦時中の技術的空白を埋めるため、1952年にイギリスのオースチンと技術提携するなどしてきました。
1958年には、当時世界で最も過酷なオーストラリア大陸一周ラリーに自社開発のダットサン・210型で出場して見事にクラス優勝を飾り、1960年には業界初のデミング賞を受賞するなど、創業時より技術力の高さから「旗は日の丸、車はダットサン」、「技術の日産」として親しまれ、故障が少なく高速走行を得意としたことで医者の往診に愛用されたことから「医者のダットサン」としても親しまれました。
日産自動車の2010暦年のグローバル販売台数及び、グローバル生産台数は共に400万台を超え、日本の自動車メーカーとしてはトヨタ自動車に次いで2番目に400万台の大台を突破しています。このように世界でも名の知れた企業である。
 
車については、3つの意見がでました。1つ目は、都市部で一般的な生活をするなら車は不要であるという意見です。関東近郊であれば、公共交通機関でほとんどの移動が無理なくできます。その中で、車を所有し維持する費用を捻出するのはメリットがないということです。2つ目は、生活に必要な道具としての車の存在という意見です。これは、都市部から離れれば車がなければ生活することが難しいと思う人たちが語っていました。買い物などには少し離れたショッピングモールやスーパーマーケットなどに行ってまとまった量の物を買ってくるなど、道具としての価値は高いものになります。3つ目は、車を所有し乗ることを楽しみにしたいという意見です。これは1つ目とは違い、多少のお金を出しても自分の欲しい車に乗りたいという人たちが語っていたものです。一人の学生は、欲しい車を買うにはお金が足らず、かといって手持ちのお金で買える車で妥協するかというとそれもイヤだという話をしていました。車に乗ることを喜びにするのか所有すること喜びにするのか確かに難しい選択です。このように住む環境と所得によって車に対する価値や想いは異なることが分かりました。
 
今回は身近なようでなかなか遠い存在である自動車産業の方々にお話を聴くことができました。自動車産業の未来を想像し、自らの将来も創造していただければ、これに越したことはありません。次回以降も様々な産業の方にお越しいただき、お話を伺っていければと思います。皆様のご参加をお待ちしております。
 
 
開催場所:東京しごとセンター セミナー室
時間:13:30~17:00
 
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NPO IFHD 事務局

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